Always Railways (1)東京駅小景

t-alwaysrailwys

いつも、そしていつまでも鉄道とともに人生を歩み続けるゼロキロポストさんの連載紀行が始まりました。  ※ゼロキロポスト:鉄道や道路等の起点に置かれている標識のこと

 

(1)東京駅小景

「もう、これまでね」、そしてもしかしたら「さよなら」のつぶやきを残して鮮やかに改札を抜けていく君、僕の手には使われるはずだった指定券…。

東京駅にはたくさんの改札口があります。このうちの北口改札と、武蔵野線の地下ホームへの長いエスカレータが舞台になっているのがさだまさしの「指定券」です。
この曲を聴くときは前奏の前に耳を澄ましてください。注意しなければ聞き逃してしまうような「ノイズ」が入っています。何度も聞くと、長崎・佐世保行きの寝台特急「さくら」の案内放送であることが聴き取れます。長崎はさだまさしの故郷です。彼は急行の雲仙号に乗っていたようです。
挫折のためか故郷に帰ろうとしている彼と彼女の別れ、あるいは東京に先に出てきた彼女の帰りを待ち切れず故郷から迎えに来た彼との別れでしょうか。帰ろう、という彼と、このまま都会に住み続けたい彼女が、東京駅で会い長いエスカレータを何度も上り下りします。それは出会いからこれまでのふたりそのものだったかもしれません。
すれちがったまま再び交わることなく彼女はしなやかに北口改札を出て行きます。最後に振り返った姿も修学旅行の生徒たちにかき消され、後には使われることがなかった指定券の花吹雪が舞っています。

東京駅にはいろいろ見所があります。詳しくはガイドブックにお任せしますが、マイナーなお薦めを紹介します。駅弁の店、祭もぜひ見てください。

「牛肉どまん中」(写真1)など全国の有名駅弁が選べます。

東京駅の駅弁

写真1 駅弁

時間があれば旅の記念に駅スタンプ(写真2)も押してください。きれいに押すコツはいつかお話したいと思います。

東京駅スタンプ

写真2 東京駅スタンプ

そしてゼロキロポストも見つけてください。その線の始まりです。

 

 

 

 

 

 

このコラムも今日がゼロキロポストになります。有効期限も行き先も不詳のミステリー切符です。当日限り、途中下車前途無効かもしれません。宜しければお付き合い下さい。

今、東京駅からブルートレインの「さくら」が発車することはありません。ホームに立たれたとき、改札を通られるとき、この駅の中で繰り返されている無数の出会いと別れに思いを馳せていただければ嬉しいです。
鉄道は人を運ぶだけではありません。その人の人生を、その想いとともに、運んでくれています。

 

 

転載厳禁 ©2014 ゼロキロポスト all rights reserved.

Always Railways
(1)東京駅小景
(2)紅花の里、仙山線高瀬
(3)御茶ノ水散歩
(4)鉄道本の一大集積地と神保町徘徊
(5)寝台急行「はまなす」に乗る函館小旅行
(6)飫肥を周ってJR最南端の駅で開聞岳を見る旅
(7)夕陽と萬代橋の街、柳都新潟
(8)原鉄道模型博物館と鉄道発祥の地、横浜
(9)留萌本線の日、増毛、そして明日萌
(10)新幹線列車名雑感
(11)ホームから海が見える駅
(12)江ノ電で行く海街散歩
(13)ダルマ駅を訪ねて(前編)

 

2014年11月07日 | Posted in 新着情報, 鉄道コラム Always Railways | | No Comments » 

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です